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長い感想

100文字では足りなかった時に

神戸で、賀川浩さんの表彰に立ち会ったことなど

サッカー 横浜F・マリノス Jリーグ

先週は神戸に行っていた。ヴィッセル神戸戦を見に行ったわけですけど、試合の前に、今年1月にFIFA会長賞を受けた賀川浩さんのセレモニーがあって、それが何だかグッと来たのだった。

FIFA会長といえば、「あくのそうもとじめ」みたいな感じもあるわけだが、ブラッターさんには光と影があり、まぁ色々アレなことして集めたお金で非ヨーロッパ諸国、特にアジア・中東やアフリカへのサッカー普及を行った、ということになっている。そんなブラッター会長から受けた賞である。誰から受けたかなんていうのは何の関係もなくだからなんだという話で、素晴らしい賞をもらった。日本人で初めて。サッカーの素晴らしさを世に広めた人として。

賀川さんの書くサッカーに関する文章は、その試合の風景やその選手の立ち姿を感じられる、とても魅力的なものである。私の、サッカーを見るための「お師匠」の一人。お師匠って言っても直接習ったとかそういうことではまったくなくて、あちこちで文章をお見かけして、それをじーっと読んで、ふーんそうか、とか、そうそう!とか、そういうお師匠である。

賀川さんの他には、えのきどいちろうさんもお師匠である。えのきどさんは、サッカーの、試合内容とか442だとか4231だとかそういうことではまったくなく、大きなくくりで「サッカーを見るということ」の基本的な立ち方を学んだお師匠である。ぽろっぽろに負けた試合をどうやって悲しむか的な感じというか。
あと宇都宮徹壱さんも好きだ。宇都宮さんの文章に完全に影響をうけまくって、アウェイ旅やら下部リーグ愛を深めたきっかけになったお師匠だったりする。

まぁ、要するに賀川さんは、サッカーを楽しむための基礎体力をさせてくれた人という感じである。それは私だけが享受させてもらったことじゃなくて、日本語を読めるサッカー好きの、とても多くの人が賀川さんのサッカーに関する文章を読んで、あーだこーだ、ふんだらかんだら、思ったり話したり感心したりして、サッカーってホント面白いですねってなったから、ブラッターさんがそんなら表彰しとこうかということになったわけだ。そういう人のそういう機会にたまたま巡り合えて、なんだか胸がじんわりしてしまったよ。うれしかったなぁ。

嫌いなライターも山ほどいますが、そういうのは、まぁ文章にするほどでもないから割愛。そういえば、インターネッツではあまり好かれてはいないようなところもあるゴタケさん(後藤健生さん)は、私は結構好きです。煩くこまけーこと言いたがりな人にはいい加減に見えるとこもあるんだろうけど、ゴタケさんが好きなサッカーって割とはっきりしていて、好きなサッカーを褒めるゴタケさんはとてもかわいいと思う。

 

解説者からもいろいろ「サッカーを見る楽しみ」を教えてもらえることがある。こないだ某サッカー系おもしろブログの方が、主要解説者の方の文章を書いておられて、ゲラゲラ笑って共感したが、実は金田喜稔さんの解説はかなーり好きである。きんたさん、南米サッカーラブなんだよね。分かるわそういう感じ。私はそこまで猛烈に南米サッカー(というかブラジルサッカー)が好きなわけでもないんだけど、きんたさんのブラジルサッカー愛はとても微笑ましいものだと感じる。えのきどさんがエッセイで書いておられたけども「芝の匂いのする解説者」である。松木・居酒屋解説・安太郎とは違った意味で居酒屋解説ぽいところがあって、松木さんが大衆居酒屋でわいわい見ている感じだとすると、きんたさんは、ちょっとこじゃれたサッカーバーでコッパアメリカ見てるみたいな感じの、シュッとした感じがある。

あとはみんな大好きJFKもとてもよい。名波監督も解説時代は割と面白かったし、去年のブラジルW杯解説で彗星のように現れた戸田和幸もとても面白い。ベテラン勢だと水沼さんの解説も分かりやすくて面白いしマリノスひいきなので(笑)好きである。

サッカー選手の経験がある人たちが、解説にもっとたくさん出てきて、色々個性を発揮してくれる世の中なのだなー。Jリーグも20歳以上なわけだから、もっとこれから面白くなるんだろうと思う。

大きな声では言えないけれど、文章が書ける元Jリーガーライターとかも出てきてほしいと思ったりする。正直、サッカーライターの質はあまり高くないからなぁ…。どんどん駆逐されてほしかったりする。

 

一方で、クラブスタッフや監督・コーチなんかに、非プロ経験の人が出てきたりすると、もっとサッカーが豊かになるんだろうなと思ったりもする。ザッケローニ監督も選手経験はほとんどなかった。選手では成功しなかったけど名将、という人は、欧州あたりだとたまに出てくるんだよ。
その辺の「豊かさ」は、きっとこれから時間をかけて日本が耕していかなきゃいけないとこだろう。あとは日本人監督が、母国以外の(理想を言えばヨーロッパや南米の)クラブチームの監督に呼ばれたり、母国以外の代表監督になってW杯に導いたりとかね!
元プロ選手の「社長」は、ぽろぽろと出てきてることだし、とうとう、元選手・元監督で「オーナー」も出てきた。まだまだ楽しみだなぁと思う。

 

ある文化と、その周縁部の豊かさ、ということを、ちょっと考えたのでした。