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長い感想

100文字では足りなかった時に

「どのぐらい歴史的勝利か」大喜利

その他スポーツ

昨日の夜は、夕方からはJリーグ、我が軍のザ・塩試合、ウノゼロ勝利という素晴らしい芸術をビールを飲みながら見ていて、その後、深夜、ラグビーW杯の日本の初戦、対南アフリカ戦を見ておりました。家から出ないのに充実感。現代ってすてき。

 

で、南アに劇的すぎるジャイアント・キリングであった。最後の最後、ライン際の攻防でペナルティを奪えた時の点差は3点。当たってる五郎丸のキックを選べば同点。南アは一人FWが退席中とはいえ、まだまだスクラムメンバーの体重差は大人一人分以上はある、という状況で、スクラムを選んだ日本の選手たちも、スクラムは崩れたものの粘り強くパスを回してトライした瞬間はもう、たまりませんでした。劇的オブ劇的。

 

スポーツ好き界隈の色んなネットの反応を見ていたら、「サッカーでいうとどのぐらいジャイキリか」という大喜利をしてる人たちがいて笑った。これ、なかなかないんじゃないかなぁ。日本代表vsドイツ代表、でも、まだまだ。FC岐阜セカンドvsチェルシーとかそのぐらいかな笑。

 

ラグビーはサッカーに次いで見るのが好きなスポーツだし、エディ・ジョーンズさんが代表監督に就かれてからの快進撃、というか見るたびに「なんか面白いチーム作ってる…」とどきどきしていたので、生まれて初めて、正座してラグビーワールドカップを待ち侘びていた。
何しろ、ラグビーの日本代表はずーっと弱くて、多分少しは世界と戦えた頃は松尾とかが現役でやってた頃なんじゃないかなというぐらい、少なくとも私は「世界と戦えるラグビー」を見たことが全くないので、さすがにぽろっぽろで歯も立たない試合を積極的に見たいと思わなかったりしますもんね…。

 

で、期待半分、「どうせまた裏切られるんだ…」半分で、眠い目をこすりながら夜更かししてたら、まさかあんなドラマチックな試合になるとは。スポーツってほんと分からんな。これだから面白いんだよなー。

 

エディさんが作っている日本代表は、速くて、正確で、いやらしい。

速さというのは、パススピード、パス回しや展開を速くするということ。試合の展開を速めれば、大型選手をそろえている英連邦勢なんかは追い付きにくくなるしガス欠になるかもしれない。

正確さ。これは本当に日本はイマイチなんだけど、がちがちに体幹トレとか基礎練習をさせられたらしいね日本代表。結果的に南ア戦は、おっとこれはというミスは3、4回しかなかった。

いやらしさについて、主導権を取って性格悪い試合展開を狙う、というのもあるんだけど、まぁ五郎丸のキックはエロいから。本当にすごい成功率だった。最初のプレスキックで外した時は「ああやっぱり…」ってちょっと思ったのでゴロちゃんほんとごめん。結局成功率いくつだったんだろう。かなりの数字だったと思います。

 

これ、サッカーでも言われてることと一緒でほんとう面白いなと思う。

速くて正確なパス回し、アジリティ、運動の質、長い時間すばやく動き続けられるという長所、それから職人的な技術。

 

私はサッカー選手では中村俊輔を偏愛しているんだけれど、その理由の一つにはあの職人気質なフリーキックの素晴らしさはもちろんある*1
五郎丸もかなり職人気質。そして一世代上の世代の選手より確実に、さっぱりと新しい風を纏った選手だと思う。
言葉は悪いが、今までラグビーってずっと「(大したエリートでもねーくせに)エリート大学生のたしなみ」的なアマチュアリズムが支配していて、代表戦に関してはそれが悪い方向に出るというか、緊張してんのかプレッシャーか何かに囚われてるのか知らんけど全然楽しくない試合をいつも繰り広げていたんだけどね、日本代表。今の20代の若い選手からはそういうのがあんまり感じなくなってきて、やっぱりそうなってこないと、英連邦諸国では多くの国でプロリーグがあるわけで、そんな人たちだらけの世界と互角にやるのは難しいよなって思ったですよ。

 

NHKの番組で、五郎丸がプレスキックの精度を高めるためのトレーニングに密着して、あの「カンチョーポーズ」にも迫っていたけれども、そういう、集中を高めるための「反閇」的なシークエンスは、トッププロはみんな多かれ少なかれ持っている。俊輔も、セットプレーで一連の「きまり」のシークエンスがあって、見ていてうっとりする。ああいう職人的なエロさが私はたまらなく好きなのです。

それはともかく、NHKの番組を見ていて、面白かったのは、メンタルコーチが女性だったこと。きれいな方だったが関西弁のおばちゃん。この世の中で最強の生物「関西弁のおばちゃん」なら、さぞ強いメンタルを鍛えられるに違いない、というのはまぁ上手くもない冗談で、「女性のメンタルコーチ」を使う、というのも、正直、今までのラグビー界ではあんまり考えにくかったので、やっぱりエディさんが作ってるチームってすごくうまくいっているんだろうな、と。そしてラグビー協会も「背水の陣」的に頑張っているんだろうなと思う。引き続きがんばってください。大畑が現役の時にこうなってたらなぁ…とかちょっと思ったりしますが。まぁそりゃ言ってもしょうがないことではあるが。

個人的には「新しい風」も心地よかったけど、試合終了後ぐぐっと顔が崩れそうになるのをこらえる大野均を見たら、もうたまらなかったなー。若い選手の新しいラグビーも素晴らしいし、屋台骨を支えてきた男の涙も素晴らしい。ああ素晴らしい。

あと面白かったのは堀江だな。堀江はまぁ、南半球スーパーリーグにいた実力とバイタリティの持ち主で、昨日も素晴らしく光るプレーがたくさん見られたけども、勝利者インタビューで「これで日本でのラグビーの地位が…!」みたいなフライング発言してて、おまえ気が早いぞって思いました。

 

次はスコットランドです。南アフリカに負けず劣らず強豪。というか、戦術を絞った、特徴の強い南アフリカより「やろうと思えば一通りできる」イギリス勢は、やっぱり相当やりにくい相手だろうなぁ。でも、まぁ「どうせ今までずっと酷い点差で負け続けてきたんだもの、どーんとぶつかってやろう」という気持ちで応援しますよ。

*1:今の日本代表はセットプレーが弱いと言う人もいるが、俊輔がいた時が異常だったんだということに気付いてほしい