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長い感想

100文字では足りなかった時に

誰にどんなシチュエーションで言われるかによって

長すぎるブクマ的なもの

気になるなーと思いながら、立ち止まって考える時間がちょっとなかったこのニュース

菅官房長官、福山さん結婚機に「ママさんが産んで国家に貢献してくれれば…」 後に「世の中が幸せな気分になってくれれば…」と釈明 - 産経ニュース

菅義偉官房長官は29日のフジテレビ番組で、歌手の福山雅治さんと女優の吹石一恵さんの結婚について、「この結婚を機に、ママさんたちがいっしょに子供を産みたいという形で国家に貢献してくれればいいなと思っている」と述べた。
(中略)
また、「結婚や出産が個人の自由であることは当然だ。子供を産みやすく、育てやすい社会をつくるのが政府の役割だ」と述べ、政権として女性活躍推進に取り組む姿勢を強調した。 

 

ブコメの反応が半分に割れてて面白いなと思った。「やっぱりコイツダメだ…」というのと「少子化なんとかせんならんのは事実なんだから別におかしくなくね?」っていうのと。

 

私は、ブコメにも記したのだけれど、「お上に家族計画を云々される覚えはない」という立場で、一方で菅官房長官ご自身も「結婚や出産が個人の自由であることは当然」と後に釈明をしているので、その釈明が菅官房長官の本音であれば、言葉の使い方とシチュエーションが著しくハラスメント的なだけで、私と基本的なスタンスは同じはずだ。

 

なんで、カチンと来る人や「こいつやっぱり富国強兵か」と勘ぐる人が少なくなかったのかと考えると、やっぱり「誰が」「どういう状況で」言うかによっては、少子化問題という言葉は、下衆方面にしろ国粋主義方面にしろ、あまり心地よい方向には行かないものなのだというところに行きついた。

 

発話者、聞き手、主語がそれぞれ変わり、少しずつ意味を付け加えていくと、「ほんとそうよね」から「うっはー、下衆ですわ下衆」「はあ富国強兵っすか?」「死ねよ」ぐらいのところまで、割とバリエーションを揃えられる。このテーマ。

 

少子化問題はなんとかしなきゃいけない
 これに異を唱える人はほとんどいないと思う。「ほんとそうよね」だ。
 ただ、これだと床屋政談というか、中身空っぽぽいんで色々ちょっとこう、まずいw

少子化問題を解決するために、(女は)もっと子供を産まなければいけない
 まぁそりゃそうだけどさ、じゃあどうすんねんとか
 産んだだけでどうにかなると思うなよとか、そういう気持ちも少し芽生えてくる。

少子化問題解決のためにも○○(今回の場合福山吹石夫妻)には子供産んでほしいですね
 固有名詞が主語に入っちゃうと、大きなお世話感がマックスになる。
 主旨と主語のサイズが違いすぎるのが原因だろうか…。
 一方で、○○の主語を少し大きくすると、先の言葉と全く同じになる。
 少子化問題を解決すべき立場の人(菅官房長官)が言うと「この無能が、となるし、
 産めない性の男性が言ったりすると、場合によっては割と地獄感が出てきたりする
 ので注意したいところだと思う。
 やっぱり主語大切。

■このまま産まない女が増えたら困るのは俺たち・お前たちだろう
 これはブコメに結構あった。いかにもごもっともそうな物言いだけど、どうだろう。
 だって、それを「誰か第三者(この場合福山吹石夫妻)の名前を勝手に使って発言」
 する必要があるんだろうか。
 それを言うなら、ビッグダディとか石田さんち(だっけ?)とかの方が適任だと思う。
 そこまでじゃなくても、薬丸ファミリーとか堀ちえみファミリーとか色々、
 もっと適任な実例もあるわけで。
 なんでまだ子供もいない(そして作る気があるかまだ誰も知らない)夫婦を引き合い
 に出す必要があるのか。
 あとさ、「福山も子供作るぐらいだから俺たちも」という人たちが増えるって
 こう、言っちゃあ何だが、ちょっとイヤじゃないかw*1

■まだなの?
 これはさすがに、福山吹石夫妻におっかぶせて言ってくる下衆な人はいなかったが
 これはさ、もう割と多くの夫婦・カップルにとってNGワードだろう。
 これを義母に言われたら、ほとんどの人はHPが一気にゼロに近づくと思うし、
 実母実父から言われたとしても、割とダメージのデカイ言葉。
 まともな家なら、家庭内では割と繊細に使われているはずの会話だと思う

■子供を産むという貢献をしてほしい
 これ、「まだなの?(跡取りの顔が見たいわ)」だよね。

 

まぁこんな遊びはどうでもよくて、問題はなぜ今「少子化」なのかということだ。

数字上では、

 ・団塊の世代の高齢化=年寄りの増加

 ・最後の人口ピークである団塊ジュニアの社会に出る年齢が氷河期と重なった

 ・団塊ジュニア(氷河期世代)以下の若年層の労働環境・条件が悪い

 

少子化問題で割と置いてきぼりにされやすい話として、この「労働環境・条件」というのがあって、結局人間「真っ当に働き続けられるかどうか」が大きい。
子だくさんでも、働けさえすれば何とかなる*2

収入といえば控除や補助金というもあるが、補助金や控除は性質上、保護というか最低限のセーフティネットという側面が強いものだ。
「そういうことなら子供を産みたい」と思う前向きなモチベーションは「真っ当に働き続けらる」かどうか、によって養われるものだと思う。

 

子供を育てるのだって20年以上の時間、倍々ゲーム的に金がかかるうえに、自分たちの将来のお金だってキープしなきゃいけないわけで、少子化対策補助金じゃあ、子供のかかりはある程度何とかなるかもしれないが、自分の老後の金や子供に「あとちょっと良い教育を」とか「たまには家族旅行」とかそういうお金まで税金では何とかしてくれることはまずない*3

でも真っ当に働き「続け」られさえすれば、自力で何とかやってけるわけで、自力で自由にやれる方が生きていて楽しいと思う人は多いと思う。

逆に、子供を産んでくれ、育てる分のお金はプチ贅沢分までも含めて国が出すよ、という状況で育ててたら、今の自民党の政治方針で考えるとそれこそほんとに徴兵されてしまいそうである。いや冗談ですけどね。

 

「真っ当な労働環境」って何だろうと考えると、ブラックじゃないか、適正な報酬があるか、子供を育てていることで起こる問題を共有解決してくれるか、継続的に仕事を続けられる技能を磨けるか、とかだろうか。
これ「うちは全部満たしてるよ!」と胸を張れる管理職や経営者、日本にはあんまりないだろうと思うし、むしろ安倍政権は真逆の経済政策を展開しちゃってたしね。

 

なので、菅官房長官、あーあ、言っちゃったなぁwww とあざ笑われてもしょうがないよなって思いました。

長々と何を言ってんだって話ですけど。

 

おまけ。

一つ、忘れたくないこととしては、「これ言及された吹石福山夫婦は、割とうっとおしいと思うんじゃないか」ということだ。まぁお二人とも芸能人なのである程度プライベートがないのは諦めてたりするのかもしれないが、でも「うへー」って思うだろう。
更に言えば、吹石さんのお父上、近鉄の元名選手吹石徳一さんはどう思うか。まだ見ぬ「孫」は、菅官房長官とは比べ物にならないぐらい吹石さんにとっても待ち望むものだろうと思うし、それを実の娘に聞くのも節度を持つ方がよしとされるような21世紀である。なのに、勝手に引き合いに出されて「少子化がうんぬん」なんておっかぶされたら、普通なら「うへー」って思うだろう。少子化とか国粋主義とか関係なく、関係者に対して、菅官房長官は、下衆爺ばりの失言をしていると思う。
まぁ、本人たちは何にも文句も付けてないんだから放っておけと言われそうな感じではあるけどさ、人気商売だよ?文句付けにくいでしょうよ一応祝ってる風を装ったコメントだしさ。

*1:個人の感想です

*2:逆に、心身の不調で働けない時期が続くと、人は簡単に坂道を転げ落ちていく。養う人がいなかったとしても。

*3:そこまでやってもいいのかもしれないんだけど、それはそれで社会構成上のバランス悪くなって治安悪化とかそういう問題が別に発生していく可能性があるので個人的には反対。税金の再配分には公平性が大切で、それやっちゃうと第二のネトウヨを生んでしまうかもしれない