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長い感想

100文字では足りなかった時に

強すぎる愛は、時に毒にもなるというサッカーの話

清水エスパルス Jリーグ サッカー

はてなブックマーク - サポーターの領分|にゃ の書き散らし

元のブログはアメブロで、それも個人の方のブログのようなので遠慮してブクマをリンクしました。何の遠慮にもなっていないかもしれないが。

 

清水エスパルスが降格したのを、私も痛くてつらい気持ちで見ています。清水サポーターの仕事仲間がいるから、というのもあるんですが、ゴトビさんのサッカーがJリーグ的には新鮮で面白かったので、ゴトビさんが来た2011年から特に気になって見てたんです。お金がないとかガラパゴスサッカーなので外国人監督の適応が難しいとか諸説ありますが、どうもJリーグは監督の顔触れが変わらないし戦術も2、3ぐらいで刺激が欲しかったってのもあって、ゴトビさんのピッチを広く使うワイドなパスサッカーが面白いと思っていた。選手の大量流出なんかがあって台所事情大変そうなわりには若い子を上手く使ってご陽気なサッカーをやってんなー的な。

 

実は、清水は、清水東三羽烏の一人、長谷川健太さんが監督をやっていた時代はぞわぞわと強かったんですけど、結局タイトルには手が届かなかったんですよね。

個人的には当時の清水は「なんかあんまりおもしろくないサッカーだなぁ」という失礼な感想を持っていたので特に興味がなかったんです。本当失礼な話ですが。多分マリノスの守備的なサッカーに同じような感想を持っているJサポも多いと思うので許してください。マリノスも、わが軍ながら調子よくない時は特にすごくつまんないサッカーやるよね笑。
そういえば、西野さんの時のガンバは好きだったのに今のガンバもいまいち魅力を感じないんで、私は長谷川監督のサッカーがあんまり好きじゃないのかも。すごく強いのに。三冠取るほど、ACLで超善戦するほど強いのに笑。
たぶん、健太サッカーって破たんしているところが少ないから強くて、ワクワクするものが見たい私にとっては「強いよ、強いけど!だから何だっていうのよぉ…」という感じなんだと思います*1。西野ガンバはげらげら笑いながら見られて好きだった。健太ガンバは偏差値高そうで、ばかものの私にはちょっと高嶺の花。

 

それはともかく、そんな三羽烏が一羽去り。インターネッツの噂なんかだと、選手の年俸負荷が大きくなっていたけれど結局トップは取れなかったということで、一見円満だけどサッパリとはしない退任なのかなーとか勝手に想像してたんだけど、その時にちょっと、清水という街とクラブって面倒くさいものを背負っているのかな、と妄想していたのです。

日本のブラジル清水の誇りと、その純粋結晶である「清水東三羽烏」というものへの全幅の信頼と、信頼が無くなった後の、すーっと冷たい風が吹く感じ。

 

清水の街を歩くと、本当にこじんまりとした良いところで、そしてどこにでもあるような地方都市の街並みの、あちこちにサッカーがしみ込んでいるわけです。

 

ゴトビ監督のサッカーがちょっと面白いなーと思って、小野も見たいしユングベリも来るって言うから、調子にのってホーム側で観戦&一泊旅行したんです。
試合の翌日は、仕事仲間の清水サポさんに街を案内してもらったんだけど、商店街をぶらぶら&その先をさまようように散歩していると、「ここが誰の実家、あっち曲がってしばらく歩くと誰の実家、あそこは選手行きつけのお店だよ」といった具合で、清水という街がいかにサッカーを愛しているか、清水から羽ばたいていった名選手たちを愛しているかがよく分かりました。ぐるりとゆっくり寄り道しながら散策しても、2時間もかからないぐらいの小さい街です。

私は調子こいて清水のタオルマフラーをサポーターショップでゲットして巻きつけてたのですが、そうすると、ちょっと休憩した喫茶店でも「あら昨日は勝ったんでしょ、誰が点取ったの?」とか、バスを待ってたら後ろにいるおじいさんに「最近はなーイマイチだろー」「そうでもないですよ面白いです」「そうかー?じゃあ俺も久しぶりに見に行ってみっかな」とかそんな風に声をかけられる。申し訳ないけど、サッカー分かる気がしない風貌のおじいさんおばあさんとかも普通にサッカー談義ができる。そんな街ってなかなかないわけで。とても新鮮だった。

 

で、更に調子こいて、別の日に一人で三保の松原のすぐ近くにある清水の練習場に練習見学に行ったんですが、その時にすごく驚いたのは、サポーターと選手の距離が超近い。学校の部活ぐらいの距離。憧れのサッカー部の先輩を遠くから見つめてる後輩女子、よりもずっと近いぐらい。

更に驚いたのはファンサービス。
Jリーグのクラブはどこも練習見学と、その後に選手とサポーターが触れ合える(というか写真一緒に撮って!とかサイン頂戴!などの欲望渦巻く)ファンサービスを行っています*2

わが軍マリノスは、負債の原因のひとつでもある最強のサッカー要塞「マリノスタウン」だからというのもありますが、ファンサービスがかなり厳格にコントロールされています。新しい施設で動線もきちんと用意されてるから管理しやすい、というのもありますが、そもそも観客席*3には必ず監視員の方がいて、観客がオイタをしないように見ていますし、望遠カメラで撮らないで!とかの注意をしてくださっています。ファンサービス中もスタッフの方や監視員さんがそばで見張っている。ファンサービスは、昔は平日毎日やってくれていたのですが、色々あって今は事前告知制になってしまっています。サインください、写真撮ってくださいも、あまりしつこく食い下がるとすぐスタッフさんが来る。

 

清水のファンサービスは超フリーダムで、びっくりした。3年ぐらい前のことですが。柵もエリア分けもない。練習終わりーの、自主トレ終わりーので三々五々帰ってくる「野生のサッカー選手」をそのままとっ捕まえるという風情で。おまけにトレーニングスタッフはいるけどクラブスタッフや監視員さんのような人はいない。
私は帰りのバスを乗り過ごしたのでファンサービスの様子をぽけーっと見ていたんですけど、選手と長々話し込んでる60代ぐらいの面倒くさそうな(主観です)おじさんとか、トレーニングスタッフさんと!長々話し込んでる若いサポーターさんとかがふつうに居る。っていうか、選手も疲れてるだろうしお腹も減っただろうしリカバリーしたいだろうから解放してあげた方が…と正直思った。ある選手とずっとしゃべっていた面倒くさそうな顔のおじさんは、最初スカウトの人とかなのかなって思ってたんですけど、その後、後ろのベンチに座ってた奥様と思われる方と連れ立って帰っていったので、多分ファンなんだと思うんだよなぁ…。

私はばかものなので、旅行や出張のついでとかアウェイ旅行の翌日なんかを利用して、いくつかのクラブの練習を見学しにいったことがあります。ヴェルディ、ジェフ、ガンバ、セレッソの南津守時代のころ。マリノスと清水と合わせると6ケ。そのどのクラブとも違う雰囲気が、清水の練習場にはありました。強いて言えばミナツモ時代のセレッソがちょっと近い気もしますが、清水のがもっとフリーダムです。選手とサポーターが話し込むところなんて初めて見たよ。

 

選手とサポーターの距離が近いというのは、ある種サッカーの理想郷ではあるんですが、この近さが、どうもあまり宜しくない方向に作用しちゃっているような雰囲気は、この2、3年の清水の試合を見たりしてもちょっと伝わってくるものがありました。サポーターというか取り巻きというか、まぁある特定の方々の過剰な選手贔屓な空気と、それに比例するように試合の内容が弛緩していく2年間だったように思います。贔屓目に見ても緩いというか、やる気はあるんだろうけど体が追い付いていってないような試合がどんどん増えていって、そして2年で3人の監督という暗黒期。

 

応援している側は、選手に一番大きく思い入れをする傾向があります。実際にプレーをするのは選手ですから自然なことです。サッカー漫画のGIANT KILLINGでもそんなエピソードがありましたし、ちょうど昨日、TBSラジオたまむすびのPodcast聞いてたら、小田嶋隆さんが同じようなことをおっしゃっていました。『監督という商売は、はじめから“とかげの尻尾“です。ファンに憎まれることが仕事だったりします。勝てば選手のおかげ、負ければ監督の責任』。確かにねぇ笑、ついこんな風に考えてしまうことが私にもある。それに会社員目線で考えても、使えない部下は上司の責任と思って日々仕事をしてますから、どうしても「選手はこんなに良いのに監督ときたら」というダークサイドに堕ちやすい。

でも上司には上司の大人の事情もあるし、上司じゃなきゃ見えていない選手の弱点なんかもあったりするので、やっぱり「全ての悪は監督に起因し、選手に瑕疵はない」とは言いきれないはずなんだ。ちょっと考えりゃ、走れないのは選手のコンディション調整のミスだし決定機でぜんぜんハマらないのは選手の練習不足が原因でもあると気付くと思うんだけど、選手との距離が近すぎると、選手もサポーターも客観性を失いやすくなってしまいそう。過保護なママと虚弱息子、みたいな感じになってしまってたら、残念だなぁと思ったりする。試合運びを見てると、どうもそんな妄想をかきたてるようなところがあって…*4

 

一部のJサポの間でちょっと話題になっているエスパルスの公式facebook、実名で監督や経営陣を、傍から見ててもちょっと的外れにdisるコメントが日々付いていて、読んでいると鼓動がかなり速くなるシロモノです。多くの論調は「監督悪い、悪い監督しか引っ張ってこれない経営陣は糞、選手かわいそう、補強ができないのは経営陣の腕がないから」と、八つ当たり丸出しの状態で、相当気の毒な気持ちになる。FBって実名だから礼儀正しい利用者が多いなんて嘘だと確信できるような笑

で、モンペだこれ、と思ったのだ。モンスター・ペアレンツならぬモンスター・サポーター。モンサポ。

モンペも別に、好きでモンペやってるわけじゃなくて、我が子が心配なあまりクルリと転生してしまうのでしょうが、おそらく「そういう」サポーターにも悪意は全くなくて、ただ重い強すぎる愛があるんだろう。でも結局子供の成長を阻害してたりするんだよね…。

面白いのは、大榎さんのことは全面擁護なのである。田坂さん立場ないだろうと思うんだけど笑。あと、最高順位2位で悔しかったのは分かるけど、長谷川健太よりも大榎さんのが愛されてんかな、という様子で。そんな妄想をしてると、長谷川健太可哀想でちょっと好きになったりもしそう。

 

大榎さんは、清水エスパルスができた時のプロ契約第一号だったんですってね。純粋な地域のクラブチームだった清水FCが母体のクラブ、決して良くないであろう資金や条件は置いておいて、地元に戻って契約してくれたということが、どうやらすごく大きな恩義になっているようです。
要するに、大榎さんって監督なのに、今でも「かわいいうちの子(選手)」ポジションなんだろうな、一部の痛いサポーターたちにとっては。

大榎さんが清水の監督になるまでの指導キャリアは、基本若年層が中心でした。早稲田のア蹴とか清水のユースとか。トップチームの監督はプレッシャーも段違いだし選手もみなプロなわけでチームマネジメントも子供や学生とは違った難しさがあるはずなんだけど、そういうキャリア不足については目をつぶっちゃうんだね。かわいいわが子だから。でもそれじゃ、成長できない。可哀想可愛いだけじゃ。

本当に大榎さんを清水のレジェンド監督にしたかったなら、ドイツでもブラジルでもオランダでもいいから海外で修行させてくるとか、そのぐらいの投資出もすればよかったのになぁとか、思ったりするけど、そんなことよりも早く戻ってきてレジェンド監督見たい、という欲望の方が強かったのかもしれない。

強すぎる愛はダメよ、やっぱりねぇ…。

 

個人的には、ちょっと、清水が1年で戻ってくることはないかもなぁという気がしています。こういうのはもう、悪く言えば「染みついた習い性」だし「素晴らしい地域性」でもある。
何しろ清水の町は本当に、あちこちにサッカーを感じる素晴らしい街なんだ。
だからJ1に戻ってきてほしいと思います。でもまぁ、J2になってもたまに偽ファン面して日本平に行こうと思う。あそこはJリーグで一番、サッカーを見る幸せを味わうことができるスタジアムだと思うよ。山のてっぺんにあるから、陽気が良いと風がサァァァーっとスタジアムを抜けて、空が近くて青くて、食べ物は旨いしビールはサッポロビールだし、富士山見えるし。

*1:同様に広島のサッカーも、森保さん2年目からは特にイマイチ刺激がないなぁと思って見ています。健太さんもポイチさんも、勝つための頭脳と訓練の積み重ねがすごいんだと思うので、サポーターは満足感高いんじゃないかと思う。でもサポーターではないばかものの私にとってはそれはあんま関係ないんだw

*2:ドイツとかもそうみたいね。オーバメヤンに、オーバーメヤンあなーたの、おーうーちはーどこーとか言いに行っていたいものだが、ドルトムントは割とガードが堅そうなので無理だろうなぁ

*3:があるんですよ!贅沢だなぁ…あんな贅沢とももうすぐお別れですが

*4:何しろ選手が競らないのだ。走りもそうだし接触プレーもそう。だからと言ってゾーンディフェンスができているわけでもない。監督がころころ変わるチームではゾーンディフェンスは難しかろうし