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長い感想

100文字では足りなかった時に

芝生の臭いがする山口素弘

サッカー

W杯予選でしたね。

何やら酷いホームのシンガポール戦のトラウマはトラウマとして、今日もドン引きサッカーをやってたシンガポールを、攻めあぐねて次の手無しに煮詰まる前に先制点が取れたんでまぁ今日は問題なく勝てるかなという感じで。

まぁ勝って良かった。もっと点取れるかなーと思ったけど、前線のコンビネーションがまだなんだよね。ムトゥと金崎がもっと息が合ってくると面白かろうなーとか、のんびりとしたことを考えながら油断して見ておりました。しかし芝生がぐにゃぐにゃでしたな…。

 

まぁ試合の内容なんて、ばかものの私がうんぬんかんぬんしたって面白くもなんともない。

今日の中継はフジテレビだったんだけど、今日は安定の西岡アナウンサーだったんで、ホッとしたのである。フジテレビのサッカー中継といえば、サッカーファンには賛否両論の青嶋アナウンサーなのだが、私は苦手。青嶋さん、好きな人は好きなんだよね…。

深夜遅くまで寝ずに待ってたルールダービーの実況・解説が青嶋アナ&清水秀彦さんコンビだったりすると、もう、ガッカリ度合いがハンパない。鼻毛も枯れる辛気くさい解説でおなじみの秀彦と、要らんことまでよう喋りはんのやなぁ青嶋のコンビは、ホントもう、なんていうか、苦手である。生でサッカー見てる気がしなくなってくるのだ。

 

スポーツの中継実況には、生っぽさが欲しいタイプなのだ、私は。

そういう意味では、地上波ではやっぱりテレビ朝日が断トツに素晴らしくて、テレ朝のサッカー中継といえば松木にスポットが当たりがちであるが、実は素晴らしいのが進藤アナ&吉野アナの、サッカー経験ありすぎるアナウンサーの実況の魅力である。
むしろ松木さんが松木節を出せるのは、セルジオ越後が活きるのは、このお二人のアナウンサーの、実況の技術とサッカーへの深い理解と愛があってのことなんじゃないかと思うぐらいである。試合の流れを妨げることなく状況を的確に伝え、松木、越後、中山ゴンなどの個性的な解説者を水先案内しながら適宜データなどの情報を伝えることも怠らない。

それで、次に良いなぁと思ってるのが、フジの西岡アナウンサーなので、今日はホントよかった。西岡さんはサッカーに限らず、フィギュアスケートとかの解説でも良くお耳かけ*1するのだが、実況技術がとても高い方だと思う。

 

嫌いなものについて長々と話してもしょうがないからアレだけども、青嶋アナとか日テレのアナウンサー全般の実況って、生々しさがないように感じる。
目の前で試合をやってる気がしないというか、試合の流れや解説者のマインドは置いておいて、用意したことを言いきってやろう、ドヤッ、という感じが、鼻につく感じがしてイヤなのです。


今日の中継で西岡さんの実況に加えて更に嬉しかったのは解説が山口素弘さんだったこと。素弘さん好きなんですよ私は。サッカー面白いと思い始めて最初に、この人かっこいい!と目が♡になった人が素弘さんと井原さんなのだ。大変守備的でイケメン好きである。まだ若い頃、20年ぐらい前の話*2。素弘さんは臨機応変にクレバーなボランチ、井原さんはゴール前で仁王のようにボールをはじき返すスイーパーという感じ。横浜ダービーのたびにバチバチいわしてたのも格好良かった*3

 

そんな素弘さんは現役引退してからは、ずっとフジテレビでサッカー解説者をやっていたのだ。CSの海外サッカーの中継解説とか、すぽるとのサッカーコーナーの解説とかに出ていて、特に中継の解説の時は、なにやらぼそぼそと割とテンション低い喋りで鋭い解説をしていて、私は「フジテレビはテンション低い解説者が好きなのかね…」と思っていた。秀彦&八宏&素弘。

そういえば、秀彦の辛気臭さも相当だが、解説者時代の風間八宏も相当なもんだった…。ヤヒロは今でも試合後インタビューとかでその片鱗を見せつける時あるけど、それでも監督就任直後の頃よりは今の方が明るいというか、変わったなーって思う。「現場の力」ってあるね。現場のどうにもならなさと、それに日々対応していくために必要な楽観さ。

 

で、3年ぐらい前だったか、素弘さんは、満を持して横浜FCの監督に就任。良い時もあんまり良くない時もあったようだけど、決して上機嫌とはいいにくい結果だったことと、試合後インタビューなんかを拝見してあまり上手く行ってないのかなぁ…と心配してたらそのまま退任になってしまった。ミスター・フリューゲルスだし、横浜FCに思い入れもあっただろうと思って切なかったが、まぁプロクラブだからしょうがない。で、どうすんだろうなーと思ってたらフジテレビの解説に復帰した。

素弘さんの実況が、芝生の臭いをぷんぷんさせてTVに帰ってきた。

 

「芝生の臭いがする」というのは、えのきどいちろうさんの本から拝借してる言葉なんだけど、解説や実況を聞いているだけなのにその場でサッカー見ているような気持ちになるような、という状況を指していて、えのきどさんはご著書のなかで、金田喜稔(キンタさん)の解説を指してそのように言っている。

素弘さん(初期)は、鋭いけれどぼそぼそとした解説だったのだが、帰ってきた素弘さん2.0*4は、なんか妙に楽天的で明度の高い鋭さで、聴きごたえのある解説になって帰ってきた。これは多分、サッカーの現場に立って色々七転八倒して苦労して楽しんで充実して、それでまた解説の仕事をやってるからなんだろうなーって思っているのだ。現場でサッカーやって充電ばっちりというか。

 

素弘さんは現役時代がゲームメーカーやスイーパーの間っこぐらいの、後ろ目の役割をこなすことが多かったからか、どうやって相手の隙を作るかとか攻撃のチャンスを作るかということに気付き解説をするタイミングや内容が、とても分かりやすくて親切に感じる。今日も、あ今のプレーですね、と、西岡アナがちょっと前に素弘さんが指摘したポイントをトレスするようなプレーを確認したりしていた。
こういうのを聞いていると、TV見てるだけなのに、三ツ沢や日産スでサッカー経験ある気立ての良い子と一緒にサッカーを見てる日常を、ふと思い出す。
わあああぁぁ、TVを通して聞こえるサポーターの声が臨場感を持って耳に入ってくる。ああ楽しい。

 

あと、素弘さん2.0、ちょっと口が悪くなってる気がする。いや悪くというより、ちょっと乱暴というか、ぼおんと突き放すような言葉づかいになってる。それだけ現場に近いところから発言してるのか、発言に現場経験からくる“根拠”みたいなものがあるというのか。
先述のキンタさんとかもそうだし、いまスカパーで頻繁にお耳にかかる川勝さんなんかもそうなんだけど、口が乱暴というかポーンと放り出したような言い方をして、そこにすごく「経験者だからこそ分かる共有」「指導者的な愛の目線」みたいな。名波なんかも解説させるとぶっきらぼうになってたもん。
そういうのも「芝生の臭い」だ。もう、この試合の解説終わったら明日はフットサルやろうぜ、みたいな感じなの。キンタさんなんて、面白い試合展開や良いプレー出ると逆に喋らなくなるからね笑、解説そっちのけでプレーに見入っちゃうんだろう、そんで多分頭の中は「週末誰か呼びつけてサッカーやろう、アレ俺もできそうだぞ」とかそんなことなんじゃないかなと思えてくる*5

 

素弘さん、今はJFAのお仕事をやっているようなのだが、指導者に戻ってくる気はどのぐらいあるんだろな。フリエ的なるものにどこまでこだわるか、というのもあるし、横浜FCでは、パッとした成績ではなかったのも事実だし、どうなんだろうなー。
個人的には「芝生の臭いがする」解説者って、良い指導者になるんじゃないかと思っているので*6、またガチな指導現場に戻ってきてくれるといいなと思う。
新潟とかどうなんです?古巣だし。ヤンツーさんは退任らしいですし。どうです?

*1:お見かけする、の耳版

*2:とはいえ未だに守備的なポジションでイケメン選手が大好物である

*3:因縁試合もいくつかあってですね…個人的にはダビーは、あまりお行儀のよくないサポーターが増えるしあんまり好きじゃないんだけど

*4:なんか古いな

*5:元サッカー選手って、私たちが思っている以上に頻繁にサッカーをやってるよね、JFAのイベントだったりチャリティマッチや引退マッチやらの仕事だったりもあるだろうけど、油断するとすぐ誰かと草サッカーやったりフットサルやったりしている。たまにtwitterなんかで見かけてギャーかっこい!って思ったりする。サッカーって走らなきゃいけないからあまり現役生活が長くはないイメージだけど、プロクオリティを考えなければずっとやれるスポーツだって。いいなぁ。

*6:もちろん、訥弁の名監督だって居るけどな