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長い感想

100文字では足りなかった時に

小さくて古い城と、それほど小さくはない茶室を見に行った

感想いろいろ

国宝茶室と国宝城を見に行っていた。

本当は、ゆっくり宿泊して明治村でうっとりしたり豊田市美術館にうっとりしたりしたかったんだけど、時間がなかったので、如庵と犬山城だけを堪能してきた。如庵は、年に何回か、中まで見学できる見学会を開いているので、それに合わせていってきたんだけど、紅葉の盛りで良い天気だったこともあって、大変に良いものを見た気になった。 

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国宝茶室、如庵は、織田有楽斎が作ったとされる茶室。織田有楽斎といえば、有楽町の名前の元になったという説もある武将で、戦国マニアの方々にとってもエピソード満載の面白みのある方で、お茶者としては尊敬する茶人でもある。ナマクラ流のお茶好きなので、ご近所美術館のルーキー、三井記念美術館で見られる再現如庵を見て以来、本物が見たい欲が高まっていたのであった。

有楽斎がひらいた茶道、有楽流武家風と言ったりもするのだけれど、確かに、男性的なおおらかさというか、茶室のくせに解放感があって、有楽窓の竹組みも暦張りの壁*1も「いかにも」感たっぷりで、すごく格好良かった。お茶の世界の濃密さを感じるためのじゅうぶんな緊張感はあるんだけれど、おおらかな。やっぱり再現茶室じゃこの辺は分からんかったなぁ。見に行ってほんとうよかった。

 

犬山城は、見に行ったことある友人から絶賛おすすめされていたのだ。古い建物好きなのに城にはそれほど興味なかったんだけど、絶賛オススメされたから行ってみたら、よかった。景色すごかったし、ミシキシいわす板張りも、さすが現存12天守!さすが国宝!というクラシック感でした。そしてすごく良かったのは、天守閣に登ったことより、犬山の街のあちこちからチラ見えする、かわいらしいちんまりした天守閣の姿であった。ちいさくてかわいいなぁ。

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そういえば、「じょあん」というと、つい焼き立てパン屋*2のことを想像してしまうのだが、今、wikipediaみたら、如庵を作ったとされている織田有楽斎のクリスチャンネームがジョアンだから、と書いてあって、図らずもパン屋と同じじゃないすか!ダジャレネーミングじゃないすか!と嬉しくなりました。

 

如庵は、有楽苑というお庭の中にある。この有楽苑というのは、紆余曲折あって名鉄の手に渡った如庵を置いておくためのお庭というか、あちこちのオタカラ灯篭やらオタカラ建物やらを集めて再配置した、きらびやかできれいに出来てはいるけど感動するかというとそういうことではないお庭というか。いや紅葉が本当にきれいだったし美しく手入れされている良い庭だったけれど、「究極の庭」修学院離宮を見てしまった私としては、お金もありそうできれいだけど美学を感じないというか、語弊はあるが「名古屋っぽいなぁ…」という感想になってしまった。取りつく島がないというか。ああああ褒めているんですが。とてもきれいで、月見台でおもわず小一時間ぼーっとしてしまったほど心地の良いお庭ではあったんですが。

 

如庵の中の見学は、本当に楽しみしてて、楽しみにしていた以上に素晴らしいものではあったんだけど、残念ながらガイドの方が、私にはあんまり合わなくてちょっと残念であった。
何ていうか「美術的価値」とか「茶道における意味」みたいな内容よりも、絵師の派閥争いの話やそれぞれのオタカラの来歴自慢*3とか、勝手すぎる解釈を話される方で、正直がっかりしたのであった。入口で貰ったガイド本に書いてあるまましゃべってるだけで、それ以外は「親戚のおばちゃんの噂話」みたいなガイドで、質問したことはしどろもどろだしよう…。せっかくのものがもったいないなーって思った。個人の感想ですけどね。
あとせっかく限られた機会だったのだから、新造のお茶室じゃなくて、国宝は無理に決まってるとしても、せめて元庵*4で戴ければ嬉しかったのにな。私はまぁ一応懐紙ぐらいは持って行ったけれど、ホンイキで和服でいらしてた方もいて、ちょっと残念そうにしていたぞ。

 

おまけ1

そういえば、名鉄は「明治村」も持っている。建物マニアなのかしらね、と思ったら、如庵の保存運動にも明治村開設にも、私が尊敬する建築家谷口吉生のお父上であり名建築家である谷口吉郎氏がかかわっておられた。インターネットで伺ったところ、名鉄の社長と谷口父が金沢時代の同級生だった由。なるほど。宜しい趣味で大変素晴らしいと思います。

 

おまけ2

次は明治村に行きたい。あと、豊田市美術館にも行きたいし、徳川美術館尾張徳川家のモンドでクールなお宝をじろじろ眺めたりもしたい。

 

おまけ3

どうも、名古屋というか中京圏のある種の独特の雰囲気が捕まえ切れない。面白みというかそういうものを捕まえにくくてくやしいのである。仕事で何度も行ってるのだが、名古屋って街の構造もいまいち掴みきれない。他の都市だと、日本でも外国でもなんとなく「こういう仕組みだよね、納得」と思える部分があるのだが、名古屋がどうもイマイチ分からないのである。くやしい。食べ物も、美味しいんだけど、掴みきれない。なんだろう。あの感じに馴染めればすごく良いんだろうなと思うんだけど、行くたびに、不快感を感じることはない(しむしろ快適な町)のに、居心地が良いと思いにくい。なんでなんだろう。
ハルキ・ムラカミ氏もご著書に取りあげておられるが、名古屋って謎都市なんだよ。すごく居心地よさそうなのに、異邦人感がすごいする。

東京するめクラブ 地球のはぐれ方

東京するめクラブ 地球のはぐれ方

 

本の題名を度忘れして、リンク貼るのに、本棚を調べるのも面倒で「村上春樹 名古屋」で検索したんだけど、割と本気で怒っておられる名古屋人の方々の文章がいくつもでてきて面白かった。そりゃ怒るだろう気持ちも分かるが、一方で、非・名古屋人、非・中京圏人から見ると、名古屋という街ってほんと疎外感あるんだよ。何回行っても異邦人。瑞穂に行っても豊田スタジアムに行っても、仕事で名駅に泊っても栄に1週間泊っても、やっぱり異邦人なのである。在名古屋の皆さんが快適そうで、そして私も十分快適に過ごしていられるというのに、居住まいが悪いというか…。なんなんだろうな。名古屋に生まれ育った人は幸せだと思う。

*1:ガラスでカバーされていたけれども

*2:三越のデパ地下パン屋さんです

*3:そういう良いものを揃えてきてすごいでしょう的な

*4:有楽斎が大阪で暮らしていた家を再現したらしい。すごくすてきなしつらいで中入りてぇぇ!って思った。でも入れないんだよ何でだよ。