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長い感想

100文字では足りなかった時に

結果を出させてあげたかった、という大人の思い

横浜F・マリノス サッカー J3 YS横浜 Jリーグ

週末のJ3についても、何か文章にしておこうと思いつつ残念すぎる結果を消化しきれないまま、ミッドウィークのナビスコカップ予選、柏戦。こちらも残念すぎる結果で、しょんぼり肩を落としています。しょんぼり。

 

現地に行かなかった試合をくだくだしく言うのもどうかな、という自分ルールを*1敷いてはいるのですが、日曜のJ3、YSvs鹿児島ユナイテッドの試合と合わせて、「結果を出させてあげたかったなぁ…」という言葉を思い浮かべたので。

 

ナビスコカップは、リーグの試合と並行して行われるトーナメント戦です。

優勝賞金いちおくえん!&地上波で決勝戦放送!&観客はナビスコのお菓子もらえる!*2ということで、Jリーグ好きの間ではたいへん良いものとして扱われていますが、「良いものだのう」と言われる理由は更に別のところにもあって、どのチームも、普段のリーグ戦では力不足な若手を、特に予選GLの時に頻繁に使うんですね。
リーグ戦は星を落としすぎるとJ2降格という可能性もありますし、そもそも試合数が圧倒的に多いので、どのチームも「負けたくねえ」という態度でフルチューンナップで臨むことが一般的で、若い選手をチャンレンジさせてやろう、という余裕はどのクラブにも中々ないのが、残念ながら現実だったりします。

そこで、ナビスコカップが「若手の登竜門」として利用されているのです。

Jリーグとしても「若手の登竜門大会」と位置付けているよう*3で、ナビスコカップには「ニューヒーロー賞」という個人賞が付いてきます。

www.jleague.jp

うちの学もちょっと前に受賞しましたが、ナビスコカップで目覚ましく活躍した若手選手が毎年選ばれます。上のリンクを見ていただくと分かるように、後に日本代表として活躍するようなそうそうたるメンツが並んでいる。Jリーグ全体として毎年「ベストヤングプレーヤー賞」というのも選ばれるのですが、私の個人的な感覚では、ナビスコニューヒーロー賞の方がヒーロー感があるというか、華があると思います。若手中心のチームでイキイキと、ぬけぬけと(若手中心なので雑でうかつな試合が増えるのも確かである笑)したプレーを見られるのがナビスコカップです。

マリノスもだいたい「二軍」感の強いメンバーでナビスコを戦うことが多かったのですが、色々アレでアレなフランス代表の若手チームU18代表の監督の経験もある、若手育成に定評のあるエリク・モンバエルツ監督に変わってからは、もう少しメッセージ性のあるメンバー構成になっているような気がします。「若手よ奮起せよ、結果出せよ」というような。
昨日の柏戦も、特に1列目、2列目の若手に対していい意味で刺激のありそうなメンバーでした。ただでさえカイケ&マルティノスという遅刻補強があったポジションは、前田、仲川、富樫といった若手とポジションがもろかぶりなわけで、彼らにしてみたらここで結果ださねーと!というチャンスです。特に仲川くんあたりは、結果ださねーと!という鼻息がふんふん伝わってくるような健闘ぶりでした。
とはいえ、そのふんふんしたところをまんまと突かれたというか、連携がいまいちだったというのもあったし、柏の若手も同じようにふんふんと鼻息が荒かったということもあって、コテンパンに伸されてしまいましたね…。しょんぼり。

若手の選手に一番必要なのは自信です。そのためにはまずは経験をたくさん積むこと、そして、その経験に目に見える結果が付いてくることではじめて、自信となって「勝負」が身について行くんだろうなぁと思うわけです。これが、なかなか口でいうのは簡単だけど、実際にはむずかしいよね…特に「結果」を出していくというところ*4

 

それでですね、結果が出ないということで言えば、J3で絶賛肩入れ中のYSCCなんですよ。しょんぼり。
J3は今年で3シーズン目、J3オリジナルのクラブではありますが、過去2年はどちらも最下位です。まだアマチュア契約の選手も多いですし*5、仕方がない面もあるといえばありますが、もともとアマチュア志向でずっとやってきたクラブなので、「甘さ」が見えてしまうところもあるんですね。

YSCCJ3参戦1年目、2年目は、YSCC創設以来初のプロサッカー選手でもあり初代の「卒業生」でもある有馬賢二監督でした。ふるさと人事でしたが結果が出せず*6、今季からはマリノスに10年ぶりの天皇賞というタイトルをもたらしてくれた樋口靖洋監督が就任しました。マリノス好きな私としてはまじか!という喜びもありましたが、それは「マリノスの監督だった人」だからというよりも、樋口さんはマリノスで「岡ちゃんが作った黄金時代が終わった後、完全に見失ってしまったクラブの形を取り戻した人」でもあるから、すごく期待感があったんですね。

樋口体制になって最初の2試合はアウェイゲームが続きました。それのどこがU23なんだよとツッコミたくなるようなガンバU23に引き分けた後、雨あられの攻撃を凌ぎ切ってワンチャンスをものにした相模原戦と、「いかにも樋口さんらしいわあ」という手堅い守備の光っていそうな結果が付いてきて、こりゃ期待できるか?と試合を想像しながら*7ワクワクしていました。

 

で、待ちに待ったホーム開幕戦で、結果が出なかったんですよ。せつない。

試合内容に関して言えば、少なくとも前半は、前シーズンからは見違えるように良いチームになっていたように思います。樋口さんのチーム作りは「後ろから」が定石で、守備をきっちりと固めたうえでDFラインから逆算して攻撃を形作っていきます。マリノスでチームを作った時もそうでした。YSも、去年までは一旦相手にボールが渡ってしまうと、守備陣形もマンツーもゾーンも何だか分からなくぐちゃぐちゃに非効率な守備でわたわたわたわたとしちゃってたんですが、守備はかなり樋口さんが整理・訓練したと見えて、わたわた感が無くなったのは素晴らしいことだと思って見ていました。

後半は、残念ながら「残念としかいいようがない」という感じで、前半結構リーチできていたセカンドボールにも届かず、ずっと相手の鹿児島に押し上げられっぱなしで、我慢できずにPKを献上する羽目になった。

 

樋口監督は、マリノスの監督をしていた時から、試合後コメントがとても理路整然と客観的に分かりやすいことで、主に私の中では有名な方でした。戦術的にどういう意図があったか、ゲームの中で何が起こったか、何が成功したから何が上手くいかなかったかを、自分のこととは思えないほど客観的に解説してくれる監督さんでした。樋口さんが監督をしてたころは、あの分析を読むことでずいぶん「サッカーってこういう風に見るか」ということを勉強できたと思うほどです。
で、YSCCの監督に就任した樋口さんのコメントは、戦術分析以前のコメントばっかりなんですよ。メンタルの部分、選手にどうやって自信をつけさせるか、という話が中心になっています。
要するに、勝てないのはどこが原因なのか、樋口さんの高い分析力は、YSに足りないのはメンタルだ、と言っているのではないかと思ったんですね。

YSCCが2年連続最下位だったのは、選手が特別に下手だったわけでも監督が特別にぼんくらだったわけでも、ないよなぁと思うんです。テクニックや強さにそれほど大きな差があるわけでもない。いやもちろん差はあるんですけど笑、サッカーという競技においてひっくり返しようがないほどの差があるとも思えなかった*8

日曜の鹿児島戦では、相手の浅野監督は「練習でやってきたことを表現できた」と言い、樋口さんは、ミスの改善より、もっと自信を持って観客に自分たちの良いところを見せなきゃダメだ、と仰っていました。開幕2試合でもメンタル面の指摘に加えて、まだまだ教えなくてはいけないことだらけだと仰っていて、文字起こしされた会見主旨を見ていると「樋口さん、YSなんかの監督を引き受けて後悔してるんじゃろか…」と胸が痛んでいたのですが、スカパーの番組で会見の様子が流されて、樋口さんの力強い口調を見て、そして初めての樋口YSの残念な試合を実際に見て、後悔ではなくて、より大変なミッションを見据えているからこその発言なのかもと思えてきたのです。

メンタルの改革って本当に難しいことだと思うんですが、どうやら樋口さんはそこに取り組んでくれているのではないかと思ったんですね。

 

負け続けるチームに何が起こるのか、プロスポーツを応援したことがある人なら大抵は心当たりがあるかと思いますが、「不信感」です。
チームに一度芽生えた不信感は、チームワークを乱すなんて生易しいことだけじゃなくて、サボったろとか、どうせ俺なんて、といった、個々の選手やスタッフに悪心を蔓延させていき、そしてチーム崩壊に至ります。実はYSも去年の夏ぐらいからは相当不穏な空気が、試合を見ているだけの私にまで伝わってきて、ヒリヒリと切ない気持ちばかりの残る試合観戦が続いていたんです。

YSはまだまだプロクラブとしては全然途上で、練習場もふわふわしてますし*9、プロ契約している選手の数もJ3でも一番少ない部類だったりします。
ないものだらけなんですが、それでも私たちは色々考えた結果「プロサッカークラブ」を目指すことにしたのですから、やっぱりプロ意識を植え付けていかなくてはならない。

 

樋口さんは試合後会見で

期待を持ってきていただいている人たちに結果もそうですが、チームの躍動感あるようなプレーが見せられなかったことは、非常に残念でならないです。 

と言った。樋口さんらしい、本当に率直で実直でまっとうなお人柄がよく分かるコメントです。選手やスタッフの方々が、できればこの樋口さんの言葉に呼応して、がんばって「本当のプロクラブ」の方角に、もちろんゆっくりで構わないので、間違わずに向かって行ってくれればいいなぁと、しみじみ思います。

そして見ている私も、いままでの4年間の「身内の試合を贔屓目で見る」みたいなおかあさん目線をもうやめて、プロチームのサッカーを楽しみに来るようにしなきゃなぁと思ったりしました。少しだけ襟を正そう。

選手がダメだと言っているわけじゃなくて、これから本当のプロに向かって行けるように後押しが出来るとよいな。

しかし、そのためには、結果がやっぱりほしいですね…。はあ勝ちたい。

 

おまけ

相手チームの鹿児島ユナイテッドFC
ユナイテッド、と言うぐらいですから、何かと何かがユナイトしたわけです。具体的にはヴォルカ鹿児島FC鹿児島鹿児島県は「Jリーグ参戦するなら1チームにしてくれよな!それ以上は面倒見切れないよ!」という方針だったため、二つのクラブはいろんな紆余曲折魑魅魍魎*10を経てようやく合併したという来歴を持ちます。

実はYSCCも、そういう意味では一筋ならでは行かない歴史を持つクラブだったりもするのですが*11、このように「ローカルなクラブの歴史」が詰み上がって、激突して、勝ったり負けたりするの、ほんと面白くてやめられないよね。あと100年もすれば鹿児島ユナイテッドだって、マンチェスター・ユナイテッドのような伝説になるかもしれんわけでさ。土地の古老が子供に「ヴォルカ鹿児島ってのとFC鹿児島ってのが、そりゃもう色んな紆余曲折があって合併したんじゃ。だからユナイテッドなんじゃ」って言うてたりするかも。

*1:その場に見に行かなきゃその試合の本当のところについて、文章にできるほどの分量の情報は得られないと、勝手に思っているのです。私が勝手に思っていることなので他人には強制はしません。

*2:試合前に簡単なゲームにチャレンジするとチップスターとかオレオをもらえるのです。決勝戦のおみやげも中々の豪華なものをいただけます。ナビスコは儲かっているのかと心配になる…そしてナビスコのライセンスが切れた後のナビスコカップの名前は。

*3:とはいえ色々面倒なこともあるんじゃけどのう。悪名高いベストメンバー規定とかのう…。過密日程なのにターンオーバーもさせないとか時代錯誤も良いとこじゃでなぁ…

*4:昨日の試合で言うならば、バックアップしてたベテラン勢はもうちょっとがんばれよ、とは思います。特に勇蔵と金井くんはもっとがんばれ。もっとやれるはずだろうに。ここでふんばれないとカド番なのに、という気持ちです。選手コメントを読んでも、勇蔵のコメントはあまじゅんよりも子供っぽいではないか…悲しい

*5:J3はプロアマ混在リーグで、全ての登録選手がプロ契約をしていなくてもOKなんです。ただし多くの参入クラブは、当然ですがJ2、J1を目指していますし、プロリーグであるJ2から落ちることもありますから登録選手すべてがプロ契約をしているクラブもあるわけです。これは正直かなりの戦力差だよなとは思う。お金の差が一番見えるのはやっぱりFWなんですよね。FWの質の差で驚くほど変わるからなぁ…

*6:有馬さんはそれまではFC東京でユース年代のコーチをされていました。FC東京サポの友人から話を聞く限りでは評判も良かったです。YSCCでも、なかなか結果にはつながらなかったけれど「やりたいこと」は見えたんですよね。だから有馬さんが実力が足りなかったからということだけが最下位の理由ではないんだよなぁ…としみじみ思ったりします

*7:J3は、さすがのスカパーでも試合放送がありません。J3リーグハイライトという番組があって割と長くダイジェストを放送してくれているのがせめてものアレですが、そんな10分弱のダイジェストじゃ、やっぱり分からないよね…

*8:サッカーってほんとアプセットが多いスポーツです

*9:決まった練習場がないってのは、親会社がないクラブあるあるで、甲府なんかもちょっと前まではパーマネントの練習場がなかった。山雅も今年から初めて固定の練習場が出来たぐらいのもんだったりします

*10:教員クラブだったヴォルカと鹿屋体育大のチームだったFC鹿児島は、どうもメンツ合戦を繰り広げたらしく合併がなんども破局していました

*11:元々は地元のスポ少、ANAがお金出してスポーツクラブ化、その後プロリーグ出来るからぽいっとなってうんぬん結局フリエもうんぬん…涙。ANAを責めることはもうしませんのでせめてマリノスの背スポ復活しろよなー笑